また君に逢いたくて・・・タイ国鉄の日本製 老朽車で行く タイ北部イサーンへの鉄旅


2020年現在でも、タイ東北部を細々と運行している 日本で1971年に製造された超旧型気動車 RHN型。当時、日本で製造され、日本全国の地方線区で大活躍したキハ20系と同じ部品が各所に使われ、キハ20系に似た雰囲気を持つ車両です。

私は1972年生まれで、ほぼ同世代。小学生の頃、鉄道に興味を持ち始めた頃から、大好きな鉄道車両です。

2019年10月に15年ぶりにタイを訪問し、このRHN型に試乗できましたが、

「また君に逢いたくて・・・」2019年12月末にもタイを訪問し、今度は別の路線で、RHN型に乗り鉄してまいりました。その記録です。


↓ 前日までタイ南部から夜行列車でバンコクへ移動、バンコク市内をお散歩しました。

その記録はコチラへ ↓

さて2019年12月29日朝、バンコクのタイ国鉄の始発駅「ファラポーン駅」へ

↓ 午前中は、大きなドーム屋根の下にタイ各地からの夜行列車が到着します。

右側の機関車は日本(日立)製、左側はフランス製ですね。

↓ 終端部には植栽があり良い雰囲気…。


私が乗車する列車は、東北線の急行便です。あれ液晶モニター故障かな?

●バンコク(中央 ファラポーン)駅1005始発 急行71(D)列車

東北線 ウボン・ラチャタニー行き 1950着予定 575㎞走行

途中、ナコンラチャシーマ―まで乗車。

↓ 液晶モニターが故障しても万全の体制ですね!

出発時刻 10分前になっても列車が入線しません・・・あれ?

↓ 隣のホームにはなんと5時間後に出発する南本線の夜行特急が入線??

タイ国鉄さんの操車係さん!順番が違いますよ!

私は、ナコンラチャシーマ―駅で、北へ向かう各停(鈍行)に乗り換えるので、心配になってきました・・・ただし、タイ国鉄さんのマイペースぶりは熟知していますので、接続時間は1時間30分確保しています。

ホームで待つお客さんたちも、心配そう・・・(心配してるのは日本人の私だけ?)

ついに出発時間を過ぎました。まだ来ません・・・

↓ すると、タイ国鉄のDJ駅員さん登場!デカい移動式のスピーカーでホームに向かい大音量で何か放送始めました。私(鉄オッサン)はタイ語分からないのでチンプンカンプン…

しかし鉄オッサン 鉄道には興味あるので、放送を予想すると・・・

「本日12月29日、タイ国鉄では帰省でイサーンへ行かれる皆様に、少しでもご乗車頂けるよう臨時増結を行います。只今、その作業中で、入線が遅れております・・・」

通常、東北線の急行列車は3~5両編成ぐらいですが、当日は増結して8両編成でした。

30分ほどの遅延でやっと出発!


↓ 途中、アユタヤ駅で見かけた古い駅名表示板。

ケンコイ ジャンクション(分岐)駅を出ると、勾配区間・・・。ディーゼルエンジンが唸ります。

時間はちょうどお昼時!お弁当の販売です。ここで一つ話題を・・・

タイの鉄道では多くの地元の住民の方が、乗り込んで車内で様々な物を販売されています。もちろん各種、弁当もあります・・・。

しかし、先日も同じイサーン地方を走る急行列車の車内でも出会ったのですが、タイ国鉄の車掌氏と地元のオバちゃんの二人組で少し大きめの弁当を売られるのです。

これって?タイ国鉄公式駅弁??

車掌さんたちも同じ弁当を運転室に持ち込んでおられました。やはり国鉄公式駅弁??? 

↓ 中はガパオライスですが、日本の吉野家さんや松屋さんのお弁当と同じく、ご飯とセパレートなので、ご飯がグチャグチャにならず、美味しく頂けます!

車窓を眺めながら、汽車弁当! 美味しい!

しかし、私=鉄オッサン、食事中でも乗務中なので、ノンビリ出来ません。

↓ Map Kabao駅に、おっと!見慣れた車両が・・・。撮影せねば・・・。

日本から移籍した12系客車の廃車体ですね。お疲れ様でした。

↓ まだ何両かの仲間は現役で頑張っていますよ!

↓ 日本の東急車両 1970年製 ステンレス車体のRTS型 廃車され、留置…。

1964年 東急車両製 定山渓鉄道モ2300形電車と似てるなあ~と私は思います。

なぜ鋼製のRHN型が生き残り、先に廃車されたんでしょう…?

車体はステンレスなので、まだ使えそうですが…。

↓ 動画もご笑覧下さい。

↓ さらに別の駅では、1964年ドイツ製の超旧型機関車ヘンシェル型が・・・。初めて現役車を見ましたよ! 好ましいデザインで模型で欲しいなあ…。

詳しい方の情報では、タイ国鉄からは引退し、線路保守の別会社の所有なんだとか・・・。

今、走行している線路の隣で、複線化・高規格化の工事が進んでいます。

もう少ししたら、高速鉄道に生まれ変わるのでしょうか?この路線はタイ北部へ向かう路線で最終的には中国まで結ぶ計画があるようです。

ナコンラチャシーマ―駅で下車。この駅名板のデザイン、どこかで見たような…

あら?地元の駅と同じじゃあ~りませんか♪

今回の私の旅行は バンコク⇒東北線急行⇒ナコンラチャシーマ―⇒RHN型の鈍行⇒コーンケン⇒新型夜行列車⇒バンコクと周遊する計画です。

ナコンラチャシーマ―駅で下車。東に向かう急行列車と別れ、北(ウドンタニー)に向かう各停(鈍行)列車に乗り換えます。お目当てのタイ国鉄RHN型での運行。1971年日本(日立)製の老朽気動車ですが、日本の全国で大活躍したローカル線の主役キハ20系によく似てるんですよね~。

●2019年12月29日

タイ国鉄 東北線 ナコンラチャシーマ―1600始発⇒列車番号417(D)・約300㎞北上⇒ウドンタニ―行き(2140着予定)。私は途中の主要駅「コーンケン」で下車しました。


日本で言うと距離や時間的には…旭川発夕方の稚内行き(260㎞北上)の鈍行というレベルの列車かな…?

RHN君、また会えたね~? 鉄オッサン、君に会いに、君の生まれ故郷の日本からやって来たよ!今回もよろしくね!

出発時間まで、車両細部を撮影しました。その写真は↓コチラに公開しました。


車両、細部を撮影していたら、若い鉄道員さんに英語で声をかけられました。

「日本から来られました?」

「はい、鉄オッサンは日本人です。(キハの車体を触りながら)彼も日本製ですよね!」

鉄道員さん「そうですね~」と笑われていました。(多分、変なオッサンと思われたでしょう…笑)

↓ 出発前の一時…立派な跨線橋がありますが、ほとんどの利用客は構内通路を使っていました。階段登ると暑いですからね…。

↓ 地方都市から田舎へ向けて北上する夕方のダイヤ。4両編成ですが、お客さんは多いです。

天秤棒を担いだお客さんも…。地方ローカル線の雰囲気ですね~…。

↓ 信号進行! 夕刻のイサーンの大地を走ります。

↓ 動画もご笑覧下さい。


↓ 元気そうに見えるRHN君、私=鉄オッサンとほぼ同級生。お互い疲労してますかね~もう少し、頑張りましょうね~!



↓この路線の一部は高規格化工事が終わっており、無人駅もこのように超立派に!天秤棒のお婆さんが降りていきます。お疲れ様です!

夕暮れ時です…

↓ 夕暮れの車内で、窓を全開にして風に吹かれながら、ボンヤリしてると…

廃止された日本の国鉄ローカル線に乗ってるような錯覚が・・・

タブレット保護棒も付いてるし、運転台機器も同じだし・・・

(その錯覚のために来たようなものですが…)


こんなタイの田舎のローカル鈍行ダイヤにずっと乗っている日本人、車掌氏は「この人、乗り間違えでは?」と思ってくれたのか、案内に来てくれ、再度、チケットを拝見され、「お客さんの降りる駅は、ホーム床が高いから、降りる時は後部の高床ホーム用ドアから降りてね」と言われました。私はタイ語分かりませんが、高規格化工事でホームが高くなったのを知っていました。ジェスチャー交えての会話でした…。車掌さん優しいな…ありがとう!

ほぼ定刻運行で、コーンケン駅に着きました。沿線では一番大きな街です。

高規格化工事で、大きな高架駅になりました…。

 広い広い待合スペース…しかし、まあ、スゴイ 箱だけは大きな駅、高規格化工事で巨大な高架駅になりましたが、お客さんは少ない・・・中国資本が入っているとかいないとか、タシカニ、中国の巨大駅に似てる・・・タイらしくないなあ

↓ 最新設備の駅事務室に古いタブレット閉塞機器…

夕食です。↓ 駅前のセブンイレブンの隣りの「WINE22」というレストランへ。

雰囲気の良いレストランで生演奏も楽しめます。

これは良い!


↓ トムヤムクン鍋 風? 美味しかったです。

注文はグーグル先生の写真をお店の方に見せて、これ下さい!で通じました!

せっかく店名が「ワイン」なので「色ワイン」も注文…

↑ 豚のカリカリ揚げ「ムーグロープ」も注文。ビールに合います!

旅行で初めて訪問する街で素敵なレストランを発見できると嬉しいものです。

ウエイトレスさんはとても親切な方で、片言の英語でお話し。「御一人の旅行、素敵ですね」と言われました。鉄オッサン、乗り鉄=鉄分補給ばかりですがね…笑。

夜行列車に乗る前の一時を過ごしました。


さて燃料補給の終わった鉄オッサン、なんと、もうバンコクへ戻ります。旧友?のRHN君に会えたので、もう目的は達しました。(鉄オッサン、サラリーマンなんで、そんなにたくさん休めないのです悲)

今夜の宿はタイ国鉄さんの新型夜行列車です。

ホームに上がると、少し遅延していた気動車の夜行急行列車(急行78列車 ノンカーイ18:15始発バンコク行き 翌朝4:35到着予定)が先に入線…

年末年始輸送なので、なんと!RHN君を増結しています。

しかし私と同級生=1970年代生まれのRHN君、これからバンコクへ往復1500キロの急行運用、大丈夫でしょうか?変速機の調子が悪いような…?

↓ 私の乗る新型特急寝台の前にさらに旧型車の夜行快速が入線・・・

快速134レ ノンカーイ18:30始発 バンコク行き 翌朝5:45到着予定。

↓ タイ国鉄では小荷物輸送が盛んで、快速や急行の夜行には、必ず荷物専用車が・・・

これは旧型の3等客車を荷物車に転用していますね。

車内は、シートも取り外され…

窓から荷物を出し入れ…

↓ 他の客車は…この電球式の「3等表示」味がありますよね。

これって、日本から輸出された大昔の客車に付いていたので、今も続いているような気がします・・・

(日本のメーカーさんの発想では?日本国鉄にも寝台車には付いていましたしね、タイ現地設計なら省略しそうな気がします)

↓ 客車はステップ付いていますが、ホームが高規格化で、高くなり・・・でもそのままマイペンライ・・・気にせず・・・しかし、普通に乗ろうとすると、確実に線路に落ちますのでご注意を!

※国鉄さんの名誉のために追記。一部の車両は、折り畳み式の高床ホーム用渡し板を取り付けています。しかし全車ではありません…。

私の乗る新型寝台です。コイツは快適なんですよね。

良心的なタイ国鉄さんの料金のお蔭で、バンコクまで450kmもありますが、寝台料金込みで4000円弱・・・夜行列車好きには嬉しいです。

●タイ国鉄 東北線 寝台特急26レ ラオスとの国境の町 ノンカーイ1910始発 バンコク行き 途中コーンケン2138発

各寝台にライトとコンセントが・・・これがありがたい、充電できますのでね。

このコンセントがあるので、私はタイ国鉄さんの夜行列車に乗る時は、この最新型か、味のある最旧型の非冷房ファン式寝台車の2極しか選びません…。

さて深夜の私のベットのテーブルです。タコ脚配線で充電中・・・

↓ 上段寝台への折り畳みハシゴ。日本の物よりコンパクトで設計上手いな!この車両は中国製です。

各車両に液晶画面があり、現在地が分かります。まるで航空機のよう。タイ国鉄さんも進化したな~

でも変わらないのは遅延。画面に表示されているように、定刻5:57のところ、実際の現在時刻は6:27です。30分遅延・・・。

↓ バンコク(ファラポーン)到着時の車内放送です。

タイ国鉄の在来車両には、特に放送設備のある列車は非常に少ない。2016年登場の中国製 新型 寝台特急列車には放送設備が整えられました。

タイ国鉄 東北線 寝台特急26レ ラオスとの国境の町 ノンカーイ1910始発 バンコク行き、定刻600着 当日の遅延約30分。

女性車掌さんによる優しいお声での案内です。(もしかしてこれ録音放送かも?)

音量が小さいので、デッキでスピーカーにカメラを近づけて撮影しました。

バンコク中央(ファラポーン)駅は電気設備の故障か?薄暗い中に電灯が点滅…。皆さんは気にせず…?マイペンライ!

なお寝台は運行中には客室係さんの手で片付けられ、使用済シーツは山のようにデッキに置かれます。下車するお客さんが優先なのか?シーツが優先なのか…?


私はこの後、この旅行唯一の観光地、ホアヒンへ向けて、南本線の鈍行列車に乗換え、旅立ちます・・・。もちろん鉄道利用ですが・・・

いったいどんだけ~♪乗り鉄すれば気が済むのやら・・・笑。

↓ その記録はコチラへ…。

日本国鉄キハ20似 タイ国鉄の旧型気動車RHN型 君に逢いたくて・・・

タイ国鉄には2020年現在、日本国鉄のキハ20系に似た雰囲気のRHN型という車両が運行され、日本の日立製、1971年の製造。製造から50年経過した今もなお、タイ東北地方で鈍行列車に活躍を続けています。この懐かしさ感じるタイの老朽車両に乗り鉄した記録です。

0コメント

  • 1000 / 1000